サビない金属
金属の中でも、サビにくいものとすぐにボロボロに腐食してしまうものがあります。
特にサビが起こりにくいものの代表格として、金があげられます。また銀や水銀、鉛などもサビにくい金属として知られています。
これらの比重が重い金属に共通していえるのは、分子の結びつきが軽い金属よりも強いために酸素の分子と簡単に結合しないという特徴です。
金メッキや銀メッキなど、サビにくい金属で表面を覆ってしまう加工をすれば、腐食してしまいやすいものの代表格である鉄や銅でもほとんどサビなくなります。ただしメッキに傷がついたり、18金などの混ぜものが多い金の中にはサビてしまうものもありますから、丁寧に扱って予防しましょう。
五円玉の主な素材である真鍮も、加工しやすいのにサビが出にくい金属として金管楽器や仏具などに使用されています。時代劇の模造小判などに利用されるほど美しい金色をしていますが、単価が安いのでトイレのタンクへの給水管にまで使われている身近な金属です。ただし本来サビやすい銅と亜鉛の合金なので、装飾品など水や汗がかかりやすい場合は緑色のサビが出ることもあります。
酸化が起こりにくい金属もサビにくいですが、実は酸化しやすすぎる金属も腐食しません。
アルミやチタンなどの軽金属の中で特に軽量なものは表面が酸化した時に内部まで酸化が進まないほど強く酸素分子と結びつき、酸化アルミや酸化チタンの膜を作って腐食を食い止めます。
これと同じ構造で「サビ(ステン)ない(レス)」という名を持つ合金「ステンレス」もあります。サビやすい鉄にクロムやニッケルなどの軽金属を混ぜて酸化を表面で止めてしまうので、サビは発生しません。