放置しても大丈夫なサビ
多く目にすることの多い鉄のサビには二種類あり、その色から赤サビと黒サビと呼ばれています。
赤サビは進行が早く、放っておくと底に穴が開いてしまったり、焦げ付きの元になってしまいます。しかし黒サビのほうは、赤サビの発生を抑えて大気に金属が直接ふれない被膜を作ってくれるため、フライパンや中華なべを初めて買われたときにわざと黒サビをつけることでお鍋が長持ちするという特性まであります。
黒サビのつけ方は、まず中華なべやフライパンをよく熱し、空焼きします。
空焼きによって銀色の鉄が紫色や黄色のまだらになったところで食用油を回し、野菜のクズ(キャベツの外側の葉や大根、にんじんの皮など食べない部分)をよく炒めます。
この野菜は焦げ付いたり、あまりおいしいお料理にすることができないため、できるだけもったいなくならないよう野菜のクズを使います。
これを何度か繰り返すことで、鉄と空気の間に入り、凸凹部分に油を保持する黒サビがつきます。
赤サビが発生しなくなるだけでなく、焦げ付きも抑えられるので、新しいフライパンや中華なべを買われたときはぜひ試してみてください。
銅の茶釜なども、あえて真っ黒に使うことで緑のサビ(緑青)がつかなくなるだけでなく、使い込んだ風合いが出るものです。新品同様のピカピカよりも耐久性が優れますから、茶器などの外側についた黒サビは落とさずそのまま使われるのが良いでしょう。
アルミサッシやステンレスなども、同じようにわざと表面が錆びることで内部までサビが進行しないという特性があります。ステンレスの流し台が水垢を落としてもくすんでいるといった場合は、このサビによるものなので心配はありません。